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   2008年9月2日  読売新聞 より)

大規模開発認めず 栄区 市、緑地保全を優先

   

横浜市栄区上郷町の大規模開発予定地周辺

 横浜市は1日、栄区上郷町の緑地で計画されているマンションや郊外型商業施設などの大規模開発を認めないことを決めた。緑地の保全や、都市機能を駅周辺に集約する市の施策にそぐわないとの理由からで、同日開かれた市都市計画審議会で了承された。市は近く、開発事業者の東急建設(東京都渋谷区)に通知する。
 開発計画は、約33・2ヘクタールの緑地のうち、約21・1ヘクタールにマンション(地上10階建て、250戸)や戸建て住宅300戸、物販・飲食店などが入る大型商業施設2棟、高齢者福祉施設を整備し、残りの約12・1ヘクタールは緑地のまま市に寄付するという内容。
 開発予定地は全域が市街化調整区域で、マンションや大型商業施設は建設できない。そのため、同社は昨年12月、土地所有者が都市計画の用途変更を提案できる「都市計画提案制度」に基づき、約21・1ヘクタールを市街化調整区域から住居地域や近隣商業地域などの市街化区域に変更するよう市に提案していた。
 予定地が、市が未来に残すべき緑地「緑の7大拠点」の一つの円海山周辺域に隣接し、ゲンジボタルの自生地や貝化石の出土する地層があることなどから、地元住民らでつくる上郷開発から緑地を守る署名の会は、「豊かな自然緑地と文化遺産を破壊するもの」として計画の中止を求めていた。
 市の関係部局でつくる評価委員会は7月、「樹林地の大幅な土地の改変や近隣商業地域の指定は市のまちづくりの方針と整合が図られていない」として認めない方針を決め、外部の有識者らでつくる都市計画審議会も了承した。
 署名の会の高村鈴子代表(59)は「市が開発優先から緑地保全に政策を転換したもの」と評価。東急建設は「開発計画について理解いただけるよう市と協議を続けたい」としている。
 市の都市計画提案制度を巡っては、8月、磯子区の旧横浜プリンスホテル跡地で計画されている大規模マンション開発で事業者が、高さ制限の緩和などを求める提案を取り下げている。

2008年9月2日  読売新聞)